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  • 公開日: 2026.08.31 BLOG

    保険の見直し方|会社員が資産形成の前にチェックすべき3つのポイント

    空にかざされた黄色い傘(保険・備えのイメージ)

    新NISAやiDeCoで資産形成を始め、生活防衛資金も確保した。次に見直すべきなのが「保険」です。毎月の保険料は、多くの家庭にとって家賃に次ぐ大きな固定費でありながら、一度加入したまま何年も内容を確認していないという方は少なくありません。就職や転職を機になんとなく加入した保険を、そのまま10年近く見直していないというケースも珍しくないでしょう。この記事では、なぜ保険の見直しが資産形成の土台になるのか、公的保障とのバランスの取り方、そして具体的な見直しのステップを解説します。

    なぜ保険の見直しが「投資の土台」になるのか

    保険は「万が一のリスクに備えるもの」である一方、保険料そのものは毎月確実に発生する固定費です。過剰な保障をつけすぎていると、本来であれば新NISAやiDeCoでの積立に回せたはずのお金が、使わないかもしれないリスクへの備えに固定化されてしまいます。

    逆に、保障が不足している状態も危険です。大きな病気やケガで長期間働けなくなったとき、十分な備えがなければ、せっかく積み立ててきた投資資産を取り崩さざるを得なくなります。つまり保険の見直しは、「保障を減らす・増やす」のどちらか一方の話ではなく、今の自分に本当に必要な保障の水準を見極める作業です。

    ポイントは「保険は多いほど安心」ではなく「必要な分だけ、無駄なく持つ」という考え方です。この土台が整って初めて、投資に回せる金額を最大化できます。

    たとえば、独身の会社員が就職時にすすめられるまま加入した、死亡保障3,000万円の終身保険を毎月2万円払い続けているケースを考えてみましょう。扶養家族がいなければ、本来はここまで手厚い死亡保障は必要ないかもしれません。もしこの保険料を半分に抑えられれば、月1万円を新NISAのつみたて投資枠に回すことができ、20年間続ければ大きな差になります。保険の見直しは、単なる節約ではなく「お金の置き場所」を最適化する作業なのです。

    見直しの前に知っておきたい「公的保障」の範囲

    民間の保険を検討する前に、そもそも日本の公的保障でどこまでカバーされているのかを知っておくことが欠かせません。公的保障の内容を知らないまま保険に加入すると、必要以上に手厚い(そして保険料の高い)保障を選んでしまいがちです。

    会社員の場合、病気やケガで働けなくなったときには「傷病手当金」という制度があります。連続する3日間の待期期間を経て4日目以降、標準報酬月額のおおよそ3分の2にあたる金額を、最長1年6ヶ月にわたって受け取ることができます。民間の就業不能保険を検討する際は、この傷病手当金と保障内容が重複していないかを確認することが重要です(詳細は全国健康保険協会「傷病手当金」をご確認ください)。

    また、医療費が高額になった場合には「高額療養費制度」により、自己負担額に上限が設けられています。この上限額は制度改定によって変わることがあるため、最新の金額は全国健康保険協会「高額療養費」で確認することをおすすめします。医療保険を検討する際は、この制度である程度カバーされることを前提に、上乗せでどこまで備えるべきかを考えるとよいでしょう。

    死亡保障についても、独身か、配偶者や子どもがいるかで必要な水準は大きく変わります。特に独身で扶養家族がいない場合、遺族年金の主な受給対象は配偶者や子どもであり、独身者の死亡時に親などが受け取れるケースは限定的です。そのため、大きな死亡保障を持つ必要性は、家族を扶養している方に比べて相対的に低いことが多いといえます。

    失業に対する備えとしては、雇用保険の「基本手当(失業給付)」もあります。会社員であれば雇用保険料が給与から天引きされており、離職時には一定期間、賃金の一部に相当する給付を受けられます。こうした公的なセーフティネットの存在を知っておくと、民間の保険でどこまで上乗せすべきかを冷静に判断しやすくなります。

    保険を見直す3つのステップ

    ステップ1:今入っている保険をすべて書き出す

    まずは、現在加入しているすべての保険について、保障内容・毎月の保険料・保障期間を一覧にしてみましょう。会社員の場合、給与天引きで保険料を支払っていると、加入していること自体を忘れてしまっているケースも珍しくありません。証券(保険証券)や契約時の書類を引っ張り出し、まずは現状を可視化することが出発点です。

    あわせて、勤務先の福利厚生で団体保険に加入している場合は、その内容も忘れずに書き出しておきましょう。会社員は個人で加入する保険に加えて、企業独自の団体保険や共済に入っていることがあり、これらも含めて全体像を把握することで、重複や過不足がより見えやすくなります。

    ステップ2:公的保障との重複がないか確認する

    書き出した保険それぞれについて、前段で紹介した傷病手当金や高額療養費制度など、公的保障ですでにカバーされている部分と重複していないかを確認します。重複している保障があれば、保障額を減らす、あるいは解約するという選択肢も検討できます。ここで浮いた保険料を、新NISAやiDeCoの積立に回すことができれば、資産形成のスピードを上げることにもつながります。

    ここで大切なのは、「解約ありき」で進めないことです。持病がある方や、そもそも保険料の負担が家計を圧迫していない方であれば、無理に見直す必要はありません。あくまで目的は、公的保障とのバランスを踏まえて過不足を把握することにあります。判断に迷う場合は、特定の保険会社に偏らない中立的な立場のアドバイザーに相談するのもひとつの方法です。

    ステップ3:ライフステージの節目で定期的に見直す

    保険の必要な水準は、結婚、出産、住宅購入といったライフイベントのたびに変化します。結婚すれば配偶者の生活を守るための死亡保障が必要になるかもしれませんし、住宅ローンを組めば団体信用生命保険がその役割の一部を代替してくれることもあります。一度見直したら終わりではなく、こうした節目のタイミングで改めて保障内容を確認する習慣をつけておくと、常に今の自分に合った過不足のない保障を維持できます。

    目安としては、大きなライフイベントがなくても、2〜3年に一度は保険証券を見返すタイミングを作っておくと安心です。保険会社や商品によって保障内容がアップデートされていることもあるため、定期的な点検が無駄のない家計づくりにつながります。

    まとめ:保険の見直しは、資産形成のための「固定費最適化」

    保険の見直しは、地味な作業に見えて、実は投資に回せるお金を増やすための効果的な一歩です。この記事のポイントを振り返ります。

    • 保険料は家賃に次ぐ大きな固定費になりやすく、過剰な保障は投資機会の損失につながる
    • 民間保険を検討する前に、傷病手当金・高額療養費制度など公的保障の範囲を知っておく
    • 独身か扶養家族がいるかによって、必要な死亡保障の水準は大きく異なる
    • 「書き出す→公的保障との重複を確認する→ライフイベントごとに見直す」の3ステップで進める

    保険を最適化して生まれた余剰資金は、次のステップである投資に回すことで、資産形成のスピードをさらに高められます。まだ生活防衛資金の準備ができていない方は、先に「生活防衛資金の目安はいくら?会社員が今日から始められる貯め方4ステップ」もあわせてご覧ください。

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    Liberty Asset Management

    現役証券マンとして金融の最前線に立ちつつ、個人の「自由な人生」を実現するための資産設計アドバイザーとして活動。本質的な資産設計と知見をベースに、信頼性の高い情報を発信しています。

    AFP 証券外務員一種 証券業界 3年以上